ひとつの軌跡、5つの名
Officina
Officina — オフィチーナとは、来訪者を迎える薬局とは別に設けられた、修道院内の調製・製造施設を指します。最初の4世紀にわたり、この場所は舞台裏の空間として、蒸留器やアランビック(蒸留釜)、乾燥棚、乳鉢を備え、植物原料からさまざまな製品が生み出されていました。この言葉は、この建物が本来どのような場所であったかを表しています。
Profumo
Profumo — プロフーモという名称が加わったのは、19世紀半ばのことです。当時の薬局長であったフラ・ダミアーノ・ベーニは、サンタ・マリア・ノヴェッラの事業を、化粧品とフレグランスを中心とするものへと発展させました。それまで薬局で作られていた芳香製品は、医薬品として分類されるか、室内の消毒や浄化を目的として使用されていました。
Farmaceutica
Farmaceutica — この言葉は、修道士たちがスペツィアーリ(薬剤師)としての資格を持ち、ガレノス製剤や治療薬をはじめとするさまざまな薬用製剤の調製に携わっていた長い歴史を表しています。これはサンタ・マリア・ノヴェッラのアイデンティティを形づくる薬学の側面であり、その名称においても「プロフーモ」より古い歴史を持っています。
Di Santa Maria Novella
Di Santa Maria Novella — この名称は、サンタ・マリア・ノヴェッラの地理的・歴史的な背景を示すものです。1221年に創設されたドミニコ会の修道院と教会の複合施設に属することを表しています。「ノヴェッラ」はバジリカだけではなく、複合施設全体を指しています。また、「サンタ・マリア・ノヴェッラ(新しい聖マリア)」という名称は、城壁内にあった古いサンタ・マリア・マッジョーレ教会と区別するために付けられました。
ひとつの軌跡、5つの名
1221–1612年頃 | Orto dei Semplici / Aromateria(薬草園 / 芳香調製所)
修道院の薬草園と蒸留施設であり、修道共同体の必要に応えるために用いられていました。
1612–1659年 | Antica Spezieria di Santa Maria Novella
一般に開かれた最初の薬局。名称には、認可を受けた薬剤師の店を意味する当時の一般的な呼称が採用されました。
1659–1848年頃 | Fonderia di Sua Altezza Reale
高度な錬金術の技術を用いた蒸留施設であり、メディチ家の公式供給者を務めました。なお、「Altezza Reale」という敬称は1670年以降のコジモ3世の時代に用いられるようになったもので、1659年の授与当時の大公の敬称は「Altezza Serenissima」でした。
1848年頃–1871年 | Officina Profumo-Farmaceutica
化粧品とフレグランスを中心とする事業への転換が進むなか、パッケージや帳簿には「Officina Profumo-Farmaceutica」の名称が用いられるようになりました。
1871年–現在 | Officina Profumo-Farmaceutica di Santa Maria Novella
修道会解散後、修道会から独立した民間企業として正式に登記されました。