コレクションで選ぶ:ローザ
バラの花の起源は古く、数千万年前にまで遡ります。シュメールの時代にはすでに存在していたとされ、クレオパトラ、皇帝ネロ等の高貴な方々にも愛されました。当修道院ができた中世初期には美しい香りが異教徒的で人を惑わせるとして修道院のみで薬草として栽培されていました。ギリシア神話では美と愛の女神ヴィーナスの象徴であったバラが旧約聖書にうたわれる雅歌の「茨の中の百合」というセンテンスからバラと聖母マリアを結びつけ薔薇の園の聖母という題材が広まります。聖母マリア信仰を広めたとされる聖ドミニコ派により祈りロザリオと共に次第に浸透。ルネサンス時代にはすでに聖母マリアの象徴だった白百合と並び再び広く愛され、聖母マリアの別名として「神秘の薔薇」(Rosa Mystica)と呼ぶようにまでなるのでした。